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【 アデノウイルスと主夫 】


無事に旅路から戻り、平穏という日々を軽い虚脱感とともに過ごす。

僕は溜っていた仕事を東京でチャクチャクと片付けては、またつぎの旅を思案している。

つまりは日常に戻ったということだ。

息子にいたっては毎日仲間と連絡を取り、

呆れるほどの勢いでプールや公園へと出掛けている。

彼はまだ彼なりの小さな旅の途中だ。


そんなある日息子が言った。

「オレ、なんかダルい...」

めずらしく弱気な発言に驚きながら熱を測ってみると39度近くある。

早速近くの小児科で診てもらうことに。

診断は「アデノウイルス」に感染。

いわゆる「プール熱」というやつである。

まぁ、ゆっくり安静だな...

なんて高を括っていたのが大間違いだった。

この「アデノウイルス」は抗生物質が効かないらしく、医者も処方しない。

よって治療法は熱が引くまでひたすら唸りながら待つしかないのだ。

しかも感染力が強く、結局ヨメと末っ子に感染してしまった。

5人家族で3人が感染した我が家は、家庭というものの機能を失った。

感染者の3人は本当に辛そうだ。

製氷機はオーバーヒート状態、というか間に合わない。

迫り来る感染の恐怖。

やはり目に見えないものって恐い。


「人生には特別な日がふたつある。それは誕生日と病気の時よ」


これは僕ではなく、ヨメの人生哲学。

まぁ悪くない言葉だ。

ヨメがダウンするのもめずらしいので僕はこの言葉に習い、

しばらく主夫になることに決めた。

朝起きて朝ご飯つくって

「あら、もうお味噌がないわね。今日の買い物リストに入れとかなくっちゃ」

買い物に行って

「おネギが安いわぁ!でも冷えピタは薬局で買ったほうがよさそうね」

とか、やっている。

ここ数日ですっかり頭の中はゴミの日と冷蔵庫の中のレイアウトが中心となってしまった。

8月中に執筆予定の原稿などはどこ吹く風である。

それにしても洗い物はエンドレス。

ゴミもエンドレス。

飯もエンドレス。

生活(人生)はまさにエンドレスですな!ハッハッハッハッハ!

と、笑うしかないくらいの忙しさ。

この3つの作業を真面目にやっていると

『ア』 っっっっっっっっっっッという間に一日が過ぎていく。(ヤキトリヤイキタイ...)


仕事とはまた別のエネルギーを消費して疲れるものの、

果物を切って出してあげる時の家族のリアクションには

何とも言えない主夫の喜びを感じる今日この頃。


皆さんも気を付けてくださいよ。

アデノウイルス」相当強烈です。